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「コーヒー、ブラックでよかった?」
「あ、はい。ありがとうございます」
「どういたしまして~」
無邪気な笑顔と、ゆっくりとした可愛らしい喋り方。
ちょっと、羨ましいな、なんて思ったりして。
そっとカップに口をつける。少し傾ければ、丁度良い熱さのコーヒーが体内に流れ込んだ。
「チャンミン君、だったよね?」
突然後ろから聞こえた聞き覚えのない声。
驚いたせいで震えた振動がカップに伝わってコーヒーが揺れる。
あ、少し零れた。
薄茶色の液体が、僕の指を伝って太股に零れ落ちる。
幸いジーンズだったから汚れは目立たない。
もともと汚れてるし、いいや。
そう思いながら視線を声のした方へ移すと、ジュンスさんとは違った可愛さを醸し出している男の人がいた。
「あ、え、はい」
「お、ジュンス合ってた。すげぇじゃん」
「馬鹿にしすぎっ、ジェジュンヒョンだってたまに間違えるじゃん!!」
「たまにだろ?た・ま・に!!お前とは違うんだよ」
“ジェジュンヒョン”
おそらく僕より5~6歳年上かな。
それほどジェジュンさんは大人っぽくて、色気があって、綺麗だった。
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