第一章

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*銀時side* 俺の名前は坂田銀時。 今は万事屋で 志村新八(駄目眼鏡)と 神楽(酢昆布娘)と一緒に 経営してる。 そして、 桂、高杉、坂本以外は 知らないが、 俺には姉貴がいる。 俺はともかく、 親は全く関係ない 姉貴にまでも暴力を 振るうようになった…。 俺は…助けられなかった。 怖かった。 また、暴力を振るわれると おもったら、 体が硬直して動かなかった。 情けねぇ…。 今でも思い出しただけで 自分の無力さに 腹がたってくる。 外に出れば、 みんなに苛められる。 殴られたり、 木刀で叩かれたり、 石を投げられたり…。 ひどい毎日だった。 だけど姉貴は… 姉貴だけは違った。 家に帰ったら必ず 抱き締めてくれた。 それが一番嬉しかった。 暫くして、 姉貴がこの村から去っていった。俺を残して… 姉貴がいなくなってから、 親は一層暴力が酷くなり、 表に出れば村人や子供は 俺を『鬼』と呼ぶようになって 暴力を振るう。 そしてある日、家に帰ると 虐待される。 なんで…? 俺なんかした? ただみんなみたいに 愛されたかっただけなのに… なんで俺だけ愛されないの? そう思って近くにあった 刀で親を… 殺した。 気が付いたときには 自分の足元に首がない 親の死体と血の海があった。 自分の手には血が大量に付いた 刀が握られていた。 ―『オレガコロシタ』― そう思ったとき、 不思議と笑いが 込み上げてきた。 「…はっ…ははっ、あはははははははははっ!!」 その笑い声は奇妙で、 壊れたような… でも何処か悲しいような… その証拠に、 子供の紅い眼からは 一筋の涙が流れていた。
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