空き缶と猫

3/5
前へ
/12ページ
次へ
その自販機に向かうには、 小さな橋を渡らないとたどり着かないんだ。 僕はその小さな橋の上を歩いて 渡り終えようとしたとき、 かすかに鳴き声が聞こえた。 まだ赤ちゃんともいえるような子猫が 段ボールの中で 懸命に鳴き声をあげていた。 僕は ごめんよ、今の暮らしではお前を飼う余裕がないんだって伝え、しばらく撫でていた。 とてもかわいい子猫だ。 ふたたび 僕は自販機へと向かい、飲み物を買った。 そして家へ帰る途中、 またあの子猫がいる 小さな橋を渡らねばならない。
/12ページ

最初のコメントを投稿しよう!

0人が本棚に入れています
本棚に追加