架空物語

ポジティブ。

校舎の裏

ひとりで弁当を食べていた。

教室より落ち着くからだ。

決してイジメられてはいない。

少し人気者なだけ。

みんな僕が好きなんだ。

だから靴を隠したり、
消しゴムを盗んだり、
拳で叩かれたり、
そんな意地悪をして
僕にかまって欲しいだけなんだ。

ただ、たまにそれが辛くなったりする。

暴力は苦手だからね。

そんなに僕が好きなら
素直に遊ぼうって言ってほしいよね。

あっ お腹が痛い。
トイレに行こう。

学校のトイレは気が進まないけど
この際、しょうがないかな。

ふぅ～

ぶわっ!!水が降ってきた!!

誰かがドアの向こうで笑っている。

新しい遊びなのかな。

いや、優しさなのかもしれない。
今日は暑かったからきっと汗を流してくれたんだ。

ありがとうね。

でも着替えがないから
次はタオルでお願いね。

授業が終わったから帰ろうかな。

また靴を隠されてるんだろうな～。

あれ、今日はちゃんと揃ってる。

なんだか嬉しいな。

痛ッ!!

なんで押しピンが入ってるんだろ。

誰かのメッセージかな。

かまって欲しいなら素直に面と向かって言ってよね。

よし、かーえろ。

明日も学校が楽しみだ。

みんないつもありがとうね。