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信号機だ。
奴は俺がこんなにも急いでいると言うのに赤になっているのだ。しかも、さっきので二つ連続だ。
何で今日に限ってこんなに赤が続くんだよ。でも、高校はもう少しだ。
俺は急いで自転車を漕ぐ。
しかし、またも信号機が待ち構えていた。
くそっ、また赤じゃんか。これは新手のいじめか?
その時、後ろから荒い息遣いが聞こえてきた。
反射的に後ろを向くと、そこには俺の行く高校の制服を着た女子が立っていた。
時計を見る。
九時二十八分
これじゃあ、走っても間に合わないだろう。
「ねぇ、俺の後ろ乗る?」
「いいんですか?」
「あぁ、だから早く乗って」
「分かりました。ではお願いします」
すると、後ろのほうが少し重くなる。
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