自治会室にて

5/5
前へ
/17ページ
次へ
   まとう雰囲気は得体の知れない感じがするが、にこにこと笑っている顔はどちらかというと、童顔である。身長も俺と同じ位だし。 「彼、存在感ないからね。人が一杯居ると同じクラスだなんて気づかなかっただろう?」  えっ。存在感どころか、威圧感まで感じますが? 「…会長。私の存在感がないのではなく、今朝からの騒ぎで、彼が周りに注意をはらっていなかっただけだと思います」  確かに。午前中はずっと机と仲良くしていた。 「冗談だよ。相変わらず、頭が固いな~。ねえ、そう思うだろう?」  えぇっ。こっちに話を振られても…。 「一方くん。スマイル、スマ~イル」 「会長が緩いんで、その位でちょうどいいんじゃないですか」  一緒に入ってきた彼女達は遠慮がない。というか三枝さん。そんなコト、言っていいのか? 「ほら~。三枝君くらいの返し、出来なきゃ駄目だよ」  当の会長は、にこにこと一方にダメ出しをしている。 「会長。話が逸脱しています。昼休みが終わってしまいますよ」 「そうだね。あ、適当に座って」  俺達はガタガタと近くにあった椅子を引き、腰をおろした。  
/17ページ

最初のコメントを投稿しよう!

3人が本棚に入れています
本棚に追加