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「なんで皆…、すぐ緋くんを出してくんだよ」 言ったあと。リーダーは小さく唇を尖らせた。 ああ、ホントに違ったのか。 「そうか、悪かったよ。でもさ、別にいいじゃん。嫌なの?」 緋さんの話題出されるの。 恥ずかしいのか? なんて。軽い気持ちで訊いた。 「…、」 リーダーは言葉をしばらく探して。 「…、どうした?」 なんだろう。この、妙な間に。今度は俺が戸惑った。 「別に…。なんでもない。行こう、菫くん」 俺の腕の中を擦り抜けて。 足早に歩いて行くリーダーの後ろ姿を、不思議な気持ちで眺めた。
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