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思わず動揺。中学に入ってから少しずつ伸びてるらしいけど、私と大して変わらない位置にある隆彦の顔を見る。
それがむかつくくらいいつも通りで、細い目をさらに細めて笑ってたから、なんだか腹が立ってしまって。
「……あっそ」
「ははは、言うと思った!」
楽しそうに笑う右隣のたわけ者のスネを思い切り蹴って、そのまま振り返らずに走った。後ろから苦しげなうめき声が聞こえてきたけど無視。謝ってなんかやらない。
駄菓子屋を通り過ぎて、シャッターが閉まりっぱなしの商店街を走って、家に飛び込んでからふと思った。
私、なんでこんなに怒ってるんだろう?
お母さんの顔も見たくなくて二階に駆け上がった。その日は頭がガンガンして眠れなかった。
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