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4つのバス停を通りすぎ、その人は五つ目のバス停で乗ってきた。
キョロキョロしながら、僕の斜め後ろに座る。
僕はと言えば、ひたすらクッキーをかじる。
ポリポリ、ポリポリ。
クッキーの残りが、半分を切ったところで、自家製緑茶に手を伸ばした。
クッキーに、緑茶。
意外に、合うから、味。
ペットボトルの蓋を閉めているとき、バスが大きく揺れた。
「きゃっ。」
声の主はもちろん僕ではなく、途中から乗ってきた女性。
ちら、と振り返ると、その人は困ったように笑った。
―ウメジンタンをばらまいて。
ウメジンタン、わかる?
駄菓子屋とかにある、小さい粒々。
多分同い年ぐらいの、綺麗な女性が、
ウメジンタン。
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