第二章 The World of distortion

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それは今から約10年前の話。 まだ俺が小学校に入学して間もないある日の事。 俺の両親はSBR・SBS関係の仕事をしていた。 二人は仕事で忙しく、家に帰って来ない日も多く、俺は親戚の家に住んでいた。 そんな忙しい二人はわざわざ仕事を休んでまで週に一回必ず俺との時間を作ってくれた。 そんな両親は俺にとって誇りだった。‥‥いや、今でも誇りに思う。 そんなある日、両親は唐突に日本から姿を消してしまう。 究極の10体と呼ばれるSBSとSBRを残して‥‥。 後に政府関係者から聞いて両親がなぜいなくなったのかもわかった。 国際テロ組織Darkness(ダークネス)に誘拐されたのだ。 だから、もう、あの時の様な二の舞はしないって決めたんだ! 「どうしたの?険しい顔して」 光が心配そうに顔を覗き込んでくる。 「え?あ、いや何でもない。それより光は大丈夫なのか?久々の出撃だし」 「確かに不安だけど、今は私達がやらなくちゃいけない時だから‥‥。それに『究極の10体の内の一体のパイロット』でもあるんだから、きっと大丈夫」 光はSBR1号機(アイン)に乗りながら 「いっくんは良いなぁ究極の10体のSBR・SBSの内ダブルオースリーともう一体動かせるんだから」 と言って機体に乗り込み、発射台まで移動した 「俺もすぐ追いかけるからな!」 光はコックピットから手を軽く振った。 《発射スタンバイ完了。発進どうぞ》 「機体型式No.SBR-001『アイン』出撃します!!」 その声と同時に白銀の機体が発射された。 「よし、俺も出撃するか」 俺が自分の格納庫に向かおうとすると整備担当の先生から止められた。 「一閃君、申し訳ないがSBSで出撃してもらえんかね?去年の訓練で故障した部分が直ってないんだ」 そいつは困った。相手は十何メートルもする巨大な相手だ。 「修理にどれぐらいかかります?」 「早くて後一時間くらいだ」 「わかりました。それではダブルオースリーで出撃します」 直ぐにダブルオースリーを装着し、発射台へと向かった。 「なるべく早く修理するからな!」 「ダブルオースリー行きます!」 その掛け声と同時に俺は出撃した。 ーーーそのころーーー 先に出撃した光は早くも交戦状態に入っていた。 「うわぁぁぁぁ」 「危ない!!」 光はとっさに物理シールドを展開し、逃げ遅れた生徒に直撃するのを防ぐ。
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