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「これが最終兵器!覚悟しなさい!!」
その獣と化したアインは一瞬にして敵の後ろに回り込み、全身の大剣を敵に串刺しにした。
「外部ダメージ、許容範囲ヲオーバー。戦闘続行不可能」
敵はそのまま宇宙空間で爆ぜ、消え去った。
「やっ‥‥た。やっと‥‥‥‥。」
そのまま気絶する光。
「くそ!間に合わなかったか」
そこに遅れて一閃が合体した姿の『ダブルオードライ』で現れた。
ダブルオードライは形は武士の様な姿をし、アインとは対照的に漆黒の闇色をしている。
機体の頭は日本古来の兜の形をしており、角が三本ある。両腰にはそれぞれ二本づつヒートブレードとレーザーブレードが装備されている。
「光、光。大丈夫か?」
「‥‥。」
しかし返事は返って来ない。
「仕方ない。母艦を呼んでアインを連れて帰るか」
《生態エネルギーを発見。ビーストアウト・オートパイロットモードで生態反応を破壊・撃破します》
すると、アインは勝手に動き出し、トランスフォームしたままゆっくりと後ろからドライへと近づいて行った。
「‥‥えぇ、結局のところ、光が敵を破壊してました」
「そうか、了解した。では、迎えの艦を近くのISS(国際宇宙ステーション)から出す。お前は敵の残骸が無いかどうか見てから艦に乗れ」
「わかり‥‥」
ピー!ピー!
《Warning》
『後方からロックされています』
俺は急いで後ろを振り向くと、バスターソードを振りかざしているアインがそこにいた。
「なっ!」
それを見てとっさにヒートブレードを抜く。
火花を散らし、ぶつかり合うヒートブレードとバスターソード。
「光!何してんだよ。俺だ!?」
「‥‥。」
しかし声は届いてはなく、もう一度バスターソードで思いっきり斬りかかってくるアイン。
「一閃!聞こえるか?」
「はい」
「今のアインはオートパイロットモード。更にトランスフォーム状態、言うなれば暴走している」
「え?じゃあ俺はどうすれば良いんですか?」
司令官は少し溜めてから言った。
「‥‥‥‥殺れ。」
それはあまりにも残酷で衝撃的な言葉だった。
「あいつを止める方法はそれしかない。エネルギー切れを狙おうとしたら最後、容赦なく撃破されるぞ」
「つまり、光ごと‥‥」
モニターに映し出されている司令官の顔はゆっくりと頷いた。
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