日常其の二

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「そういえば蚕の森は夜になると幻想のような景色を拝めるって聞いたな」 「ほう…よく知ってるじゃねーか」 「同じクラスの友達(ダチ)に物知りがいるんだよ、…ちなみにお土産として幻想のような景色を撮ってこいって言われたよ」 ユウジは座りながら幻斎に皮肉混じりにそう言った 「でも辺りを見渡してもそこまで綺麗な景色は見当たらないな…」 ユウジは辺りを見渡しながらそう言った 「私…知ってる…」 その時、螢がユウジに向かってそう答えた 「知ってる?なにをだ?」 「綺麗な場所…」 螢はそう言うと指を差した 「…この方角…」 螢が指を差した先をユウジは見た 「よし…ならとっとと見に行こう。」 ユウジは立ちながらそう言った 「悪いが、俺はここでさよならだ…」 不意に幻斎がそう言葉を放ち続けざま言い放った 「俺は今、ある事件を追っているんだ、お前に会ったのは事のついでだ。」 「事件?」 ユウジは疑問を訴えるように聞いた 「お前は知らなくていい事だ。…ここに来れば何かあると思ったが、手掛かりになる物は何も無かった。」 幻斎は喋りながらユウジに背を向けて歩きだした 「じゃーな、その子大切にしろよ。」 「ああ…分かってる。」 幻斎の言葉にユウジは小さな声でそう答えた 「…ユウジ…寂しい?」 螢は首を傾げて聞いた 「…かもな」 ユウジはそんな螢の頭にポンと手を置き少し微笑んだ 「さあ、とっとと行こうか」 ユウジは先程、螢が指差した方角に向かって歩きだした。 螢はそんなユウジを不思議そうに首を傾げていたが、ユウジに置いて行かれそうになったので足早にトタトタとユウジを追いかけた。 この出会いと別れは後にユウジの運命を大きく変わる出来事であることを、まだ誰も知る事は無かった……
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