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「………」
「ふふ、まだ息があるみたいね。でも残念だわ、そのままではもう助からないわ」
幼い少女は少女に近付き、息がある事を確認すると、少女にそう呟く。
「………」
「でも、助ける方法ならあるわ」
「………?」
助ける方法があると言う幼い少女に、少女はどんな方法かと言いたげな顔をする。
「人を辞め、妖怪として生に縋るというものだけれど人間として死ぬのとどっちが良いかしら?」
「……ふふっ」
幼い少女は、普通の人にはあまりにも残酷な選択肢をさらっと言い切った。すると少女は、そんな幼い少女を見て何故か笑みを零した。
「どうかしたのかしら?」
「何でだろう……あなたを見ていると、こんな可愛い子を私が世話をしなくて誰が世話をするんだろうって思っちゃって」
「……あははははは!おかしな奴ね、悪魔であるこの私を世話?……気に入った!あんたの命、私が貰うわ。これから毎日こき使ってやるわ!」
少女の言葉がおかしくて笑った幼い少女は、少女を世話係にする事を決め、少女の怪我を治していく。
「………」
少女は怪我が治っていくのを見ると、安心したのか気を失った。
「さてと……出て来なさいリリィ」
「あら、何で分かったのかしら?」
怪我を治した幼い少女が、リリィと名前を呼ぶと、先程の女性が木陰から出て来た。
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