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「あんたの気配なんてすぐに分かるわよ、悪魔舐めんな」
「そう、それはごめんなさいフィオ」
リリィは幼い少女をフィオと呼んだ。
「それはそうとこいつのこの小刀……あんたが渡したわね?」
「ええ、まずかった?」
「いいえ、全然。ただこいつ見た感じ得物は使い慣れてるって感じしないわよ」
フィオは少女と小刀を交互に見ながらリリィにそう言った。
「分かってるわよそんな事」
「なら何故持たせた」
「ほら、人間って極限状態になると無意識に人刺したりするでしょ?ちょっと試してみたくて」
リリィはどうやら自分の身を守らせるためよりかは、自分の実験台として少女に小刀を渡したようだ。
「で、結果がこの様か」
「そうよ、何もしないから残念だわ」
「まあこいつがそんな事するとも思えないけど」
残念がるリリィに、フィオは少女を見ながらそう言う。
「あ、ねえフィオ。その子あなたの僕にするんでしょ?」
「僕……まあ、僕か……いや、響きが悪いから使用人ね」
「何だって良いでしょそこは・・・まあとりあえず、名前とかどうするのよ?その子の名前のままだとまた狙われるわよ?」
リリィはフィオにツッコミを入れながら、少女に名前を付けるように言う。
「そうね……」
フィオは空を見ながら少し考え、口を開いた。
「こいつ……いや、この子の名前は……」
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