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「…っな…」
男の手は僕の顔に届いてはいない
数センチ手前で止まっている
僕はただ見ているだけ
他から見れば男が直前で止めたように見えるだろう…
実際はちがうけど
男はなぜ自分の手が止まっているのか理解できてないようで焦ってる
男の瞳をとらえたまま、
『オレ』は口角を上げ、ニヤリと笑った
他からは男の影でオレの顔は見えない
「っ……」
オレはそのまま男を蹴り飛ばした
「ぐっ…あ!」
周りにいた男を一人巻き込んでその男は倒れた
「せ、瀬川さんっ!」
男の一人が………めんどいな、これからアルファベットで呼ぶ
蹴った男がA、巻き込まれたのがB、後がCとDな
CとDがAに駆け寄り声をかけた
Aは気絶してるみたいだな
あんま強くしてないと思ったんだが
「……てめぇ…瀬川さんになにしやがんだ、」
「一年のクセに生意気だぞ」
CとDが言った
Bは瀬川とかいうやつのとこ
オレは静かに見ていた…
…………わけはなく、クスクスと笑っていた
そんな俺を見たCとBは表情を険しくし
「調子こいてんじゃねぇ!」
「うらぁ!!」
そういって二人で俺に殴りかかって来た
オレは笑ったまま
二人の瞳をとらえる
「「っ」」
動きが止まってしまった
オレはまた同じように蹴り飛ばす
「ぎゃっ」 「がっ」
その間にBが動いていた
オレの背後に回り腕を振る
手にはナイフ
少しだけ首を傾ける
ブンッ、
ナイフは俺に当たることなく空を切る
Bが驚いているすきに回し蹴りを食らわす
「っあ…」
はい、倒れた不良四人できあがり
『…………よっわ………相手になんねーっつの』
男達をいちべつすると
手を男達に向ける
すると男達の擦り傷やらが治っていく
最後にサッ…と手を振るとビクリと男達が震えた
……………はぁ…
『ぼく』はそのまま教室に戻る
早くしないとお昼が食べられない……
「……………ん…?」
しばらくして男達が目覚め、
なぜここにいるのかと顔を見合わせていた
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