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葛藤
月を眺めた僕の首筋に滴る水が冷たくて気持ち良い。
さっきの夢は…きっと憂の言葉で不安になった…僕の心が生んだ幻なんだ‥。
だって僕はあの場所には居なかったし、家族は連れていかれたんだ。
だから…‥きっとまだ生きている。
皆に会いたい。
…‥ッでも、さっきの夢みたいに…‥皆が喰われてたら…?
そんな事無いっ。
もしそうだったとしても、僕だけが生きていて何になるの?
僕のせいで、また家が襲われたら…‥?
島に行っても見付からなければ次の生贄は必要無いよね?
鬼に選ばれ喰われる事が…‥本当に名誉な事なの?
自分達が安全に暮らす為なら、友達や家族を失っても良いの?
大事な人を失ってまで生きる意味なんて有るの?
新しい年が来れば、また同じ事を繰り返すの?
新しい家族が出来たら、またソレを失うの?
「…‥そんなの…嫌だよ」
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