孤立

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孤立

トップチームに入り練習が始まった。 トップチームには同い年の推薦組がいた。 推薦組の中には一般組から上がって来た者を良く思わない者もいた。 彼らも推薦枠で来ている故のプライドもありチーム内はピリピリしていた。 練習でも打ち解ける事無く5月も終わりを迎えようとしていた。 5月最終週日曜日の練習試合。 一軍の練習試合の後半戦が始まると同時に推薦組と一般組上がりの1年がアップを言い渡された。 後半も半ばに差し掛かろうとした頃に途中交替の選手の名前が呼ばれた。 「藤村~!監督が呼んでるぞ!」 一瞬、自分の耳を疑ったが、確かに自分が呼ばれた。 監督の元に行くと監督から… 「左サイドハーフに入れ」 と、それだけ言われた。 その試合、高校生になり初のトップチームデビューという事もあり緊張したが、自分のスピードとスタミナを武器に臆する事無く果敢にチャレンジした。 特にアシストもゴールも出来なかったが、チームも1対0で勝ち、自分自身に対しても少し自信の持てる試合となった。 6月に入ると途中出場だけでなくコンスタントに試合にも出られるようになって来た。 自分の中で一つのトラブルが生まれた。 推薦組から敵対視されるだけでなく、一般組上がりからも嫉まれ敵対視され1年の中で孤立するようになってきた。
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