第一章『僕たち』

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目を開ける。 常闇の中から暗闇の中へと僕は意識を移動した。 ここが一瞬――どこなのか分からなくなる。 目を開けた先もまた闇の中。僕に光なんて届きはしない。 僕は光を嫌ってここにいるし、光もまた僕が嫌いだろう。 それだけが、僕の中で唯一の確かなこと。 だんだんと冴えわたる瞳が、脳が、ここが現実である事を認識させる。 ベットの柔らかい感触。自分の体にかかる重力は、まるで現実の重さのようだった。 もう、何も見たくない。 そう思い再び目を閉じてみるが――闇は迎えに来てはくれなかった。 「……」 仕方なく、僕は体を起こす。多めに寝てしまったせいか、妙に重い。 若干の頭痛を覚えながら、PCの電源をつける。 機械的な起動音。 ディスプレイの明かりが、僕の部屋を映しだす。 ――相変わらずひどい。 人に言わせれば、きっとここは人間の住みかじゃない、と言うとおもう。 ならば、ここに安心を与えられて生きている僕は、既に人間ではないのだろう。
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