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「おーい、コッチコッチ!」
周囲に一応人はいるが、人通りは少ない。
建物と建物の間に奴らはいるので、そこから見えるのは俺だけのはずだ。
(俺を呼んでるんだよな・・・・・・?)
そう思い女たちに近づいた瞬間、鈍い音と共に急に男二人が倒れた。
(一体何が・・・・)
状況をよく飲み込めずに、まさか俺が近づいたから倒れたんだろうかと思いながら突っ立っていると女が声をかけてきた。
「ちょっとこいつら、奥に運ぶの手伝ってや」
訳が分からなかったがさすがに二人を道路に放置しておくのは人目につくのでまずいと思い、とりあえず女の指示に従うことにした。
片方の男の手を引っ張り、ひきずりながら奥のほうへと運び寝かせた。
女はもう片方の男を片手でポイっと放り投げると、
急に俺の手を引っ張り道路の方へと連れ出した。
「君、いくつ?住所は?一人暮らし?仕事は?こんな時間にここにいるゆーことは、普通の仕事ではないやんな?」
(いきなりなんなんだこの女は)
数分前に初めて会ったばかりのこの女は、場の状況が落ち着いたと思いきや早口でいろいろと質問攻めをしてきた。
とりあえず今の俺には隠す理由もなかったので、正直に答えることにした。
「えと、19歳。家はない。一人暮らしとゆうよりその日暮らしや。無職」
半分ギャグのような回答だがマジメにそう答えると、女は目を輝かせてこういった。
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