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携帯を取り出し某感動アニメ『CLANNA🌕』のBGMをかけながら、無駄にポジティブな軽い足取りでマンションから出た。
外に出るとジリジリと夏のような太陽の光が差しており、肌に食い込むような暑さだった。
暑さに負けてパーカーを脱いで腰に巻き、がっちりとした広い肩とは不釣り合いな女の子のような白い肩をタンクトップから露出させた。
俺は元々色白な体質なのかあまり肌が焼けたことがなかったため、その女の子のような白さに若干コンプレックスを抱いていた。
とゆうか今はそんな能天気なことを考えてる場合じゃない、と頭を振った。
こうなってしまったら、もう普通に生きていくことはたぶん無理だろう。
最悪の場合、強盗か。
ビルからバンジージャンプ気分で飛び降りてしまうのもアリだろう。
もしかしたら俺はこんな状況に立たされるのを、心のどこかで願っていたのかもしれない。
ふっと一人で苦笑いを浮かべながら、そうこうしているうちに最寄りの駅に到着した。
繁華街行きの切符を買い、電車に乗り込んだ。
ガタガタと音を立て扉が閉まる。
窓からの風景、電車に揺られる人々、家族の笑い声。
こうした状況に立たされた今、見るもの聴くもの全てがアートに見えたりしてくる。
これは、これからが普通の日常じゃなくなるとゆう何かの暗示なんだろうか。
当たり前のように過ごしていた日々は、もう来ない。
そんなことを考えながら、時間が過ぎるのを待った。
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