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王家は王の近しい親族で構成され、華王家と呼ばれる人間は王の遠い血縁者達で構成されている。
王を中心に、この階級の者達が政治を仕切っていた。
阿武家は、町の警察隊、国の軍事一切を任っている。
昔は華王家の人間より階級が下だとされてきたが、今や華王家と並ぶ勢力で力を増していた。
裕福な生活を送れるのは国を仕切るこの者達と、ごく一部の豪商、豪農、医者や学者、職人だけである。
それ以外の一般市民は“従民”と呼ばれ塵のように、奴隷のように扱われ、生まれた土地を離れることは許されず、ましてや国外に行く事など許されるはずもなかった。
国を批判すれば反逆罪。
自由を訴えれば反逆罪。
重い税金。
貧しい生活。
誰もが逃げ出したいが、亡命が成功した人間はごく僅かで、従民を抜け出し、階級が上った人間はいなかった。
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