蓮の華‐其の壱‐

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阿魏国は四つに分けられている。 王とごく一部の側近が住まう《中央区》。 王族の中でも位の高い御家の者を城主とし、それぞれの区を仕切る《第一集》《第二集》《第三集》。 “従民”は生まれた《集》を出ることは許されない。《集》の中では町を移動することも移住することも違法とはされなかったが、貧しい者達は毎日を生きることに必死でそんなこと等できるはずもなかった。 それ故、自然と町は“華王家”が住む町、“阿武家”が住む町、“富豪”が住む町、貧民街に分かれる事になる。 《中央区》は周りを山のように高い鉄壁に囲まれ、厳重な警備がなされている。《中央区》に住む者以外、王族でさえ他の《集》に行く許可がなかなか下りないし、《中央区》に入る許可を得るにはかなりの時間と手間を要した。
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