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「誠二さんね、鎌倉の、多分その混浴温泉だと思うけど、そこで若い女の子を見たんですって」
「へぇ、聞かなかったな」
「16、17ぐらいの綺麗な体の娘で、押せば弾ねかえるくらいの肌で、贅肉なんかも全然ついてなかったみたい」
「ふぅん」
「誠二さんがお風呂につかっていたら、その娘が入ってきて、恥ずかしいからヤッパリ体の前の方は隠すでしょ。でも、後ろの方まで注意が廻らなかったみたいで、湯船から立ち上がったとき、誠二さん、うしろ姿をすっかり拝見しちゃったんだって」
「うしろ姿だけじゃ、それほどエッチな話でもないだろ」
「それが違うのよ。そうでもなかったらしいわ。くわしく説明してくれたのよ。なんて言ったらいいのかしら‥‥照れちゃうわ」
「そこまで話したんなら全部話さないと」
「あのね……若い娘って余分な肉がついてないから、太ももの付け根のところが内側にくびれてるわけね、そこへ締まったヒップが割れてるでしょ。だから菱形の小さな隙間ができちゃうの。わかります?」
「なるほど、わかるわかる」
「で、女の子、湯船から出るとき少し前に体を曲げたのね。もう……本当にエッチな話し……誠二さんたら、菱形の隙間の奥に女の子の大切な部分がチラッと見えたんですって……」
「想像はつくな」
「誠二さん言ってたわ。『女性のアレって、あんな角度から見えるんだなぁ』なんて、しみじみ感心して」
「ふぅん」
「そりゃ見えるかもしれないけど……あぁもうイヤ。恥ずかしいわこんな話……あっ、いらっしゃいませ」
話が一段落したところで新しい客が店に入って来た。
物腰から察してひいきにしてもらっている客らしい。
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