僕の借金日記

10/38
前へ
/38ページ
次へ
その日から何日か連続で同じ店に通った。 打てば響くではないが、連日負け知らずで、数日で僕の財布の中には20万ほどのお金が詰め込まれていた。 しかし、まだだ。 僕がパチンコ屋にいる時間は長くても3時間程度。 それ以上は、目や耳がしんどく、いられなかった。 体が拒否するので、あまり長く打つことは出来なかった。 のめりこんでもなかった。 しかし、暇だった。 何作かは小説のようなものを書き、応募はしてみたが、結果が出るのは大分先の話だ。 もちろん、良い結果などくるはずもなかったが。 その頃になると、彼女もボチボチとやりたい仕事はないのか、と聞いてくる。 無職も1年経つと、さすがに飽きてきていた。 さあ、働こう。 僕は、ぼちぼちと職を探しだした。 リクナビで見つけた再就職先は出版社の営業の仕事だった。 学生時代の就活以来着ることがなかったスーツに着替え、心機一転、心もかろやかに僕は新生活のドアを叩いた。
/38ページ

最初のコメントを投稿しよう!

87人が本棚に入れています
本棚に追加