僕の借金日記

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新しい職場は出版社で、僕の仕事は自社で作っている媒体に載せる広告をとってくる営業だった。 そこで、運命かどうかはわからないが、ある出会いがあった。 僕が入社する日に同時に入社したのは3人。 僕とTとなんとか君、なんとか君は入社3日目で来なくなったので話す機会もなく、名前は忘れた、だった。 研修など全くなく、仕事は体で覚えろタイプの会社だったので、それぞれ先輩社員の外回りに同行して仕事を覚えていくことになる。 余談だが、僕が同行していた先輩Kさんは、後日、僕がこの仕事を辞めてしばらく経った事に会社をクビになる。 理由は借金。 仕事中に行きまくっていたパチンコで作った借金がサラ金に300万あることが会社にばれたからだ。 この会社は直接お客様から広告料金を集金することがあり、借金をしている人間はその金を使い込む可能性が多分にあるため、実際に使い込んだ人がいたらしい、なので、借金がある人間は働かせられないのだ。 この話を聞いたとき、僕は爆笑するフリをしたが、心の中では全く笑っていなかった。 すでに150万の借金があったからだ。
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