僕の借金日記

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この日記を書こうと思い立ったこう、妻から泣きながら電話があった。 『もう、生きていたくない』 と。 ばれた。 妻のへそくりから金を抜いていたことが。 僕は、あと20分以内に仕上げて提出しないといけない書類を書いている途中だったので、とりあえず20分後にかけなおす、と電話を切って、書類を仕上げて相手先にメールで送った。 仕事場を出てすぐに妻に電話をかけたが、繋がらない。 幸い仕事場から家までは原付で10分なので、すぐに家に向かった。 原付をとばしながら、死ぬはずがないとは思ってはいたが、一抹の不安がみるみる大きくなり僕の頭をいっぱいにした。 駐輪場に原付を停めるのももどかしく、家のドアの鍵を開けた。
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