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じゃらじゃらと上皿に銀色の玉が流れ、それを見届けてからハンドルを回した。
タッタカタッタカいう音楽に合わせて液晶リールが廻りだした。
3,4回転に一回くらいのペースでがんがんリーチがかかる。
その時の僕は、それが熱いかどうかもわからず、盤面を眺めていた。
結局やかましいわりに何事もなく、千円分の玉はなくなり、再び財布から千円札を台に入れた。
じゃらじゃらと同じことの繰り返しである。
しかし、今度は数回転目に上からマリンちゃんが降りてきて一緒にリールを止めようとしてくれた。
そして、ピタッ。
奇数図柄で確変当たりである。
念のため付け足しておくと、確変当たりというのは、台によって例外はあるが、基本的にはもう一回分の当たりが保障されている当たりである。
確変あたりの次の当たりが確変あたりだとさらにもう一回、さらに確変、と連チャンが発生するのである。
その日はそのまま連チャンし、換金は96,000円だった。
たかだか2,3時間で94,000円の儲けである。
馬鹿みたいな話だ。
以前まで一か月働いて、20万程度の手取り給料がほんとに馬鹿みたいに感じてしまった。
まあ、本当の馬鹿は僕だったのだが。
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