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「笑実~!」
後ろから名前を呼ばれて、振り向いた。
「どうしたの?こんなとこで立ち止まって。教室行こ?」
名前を呼んだのは、友達の田島佐奈(たじまさな)だった。
「佐奈。おはよ。ちょっとボーッとしてた。教室、行こっか」
「うん。でも今日は京ちゃん先輩と一緒じゃないの?」
あたしが毎日京ちゃんと来ていることを知っている佐奈は、不思議がって聞いてきた。
「うん…。彼女と行っちゃった!も~朝からラブラブだよね~」
あたしは笑いながら言った。
「大丈夫…?」
佐奈は心配そうに聞いてきた。
「…何が?」
「寂しく、ない?」
笑いながら言ったのに、佐奈にはお見通しみたいだ。
まぁ京ちゃんのことでいろいろ相談してるからな…。
「平気!ほら、早く行こ」
あたしは佐奈の手を引っ張って教室に向かった。
寂しいと言ったら、泣いてしまいそうだったから。
それに、これくらい平気。
京ちゃんと愛奈先輩が付き合い出したって聞いたあの時に比べたら、全然平気。
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