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昔のことをボーッと思い出してるうちに、教室に着いた。
無意識に、教室に向かってたんだ…。
「入らないの？」
ずっと中に入らないあたしに佐奈が声をかけてきた。
「あ、入る！」
ドアを開けると、クラスメイトの騒がしい声が耳に入った。
あたしはテキトーに挨拶をして席に着いた。
机に顔を突っ伏して京ちゃんの顔を思い浮かべる。
京ちゃんの隣には愛奈先輩がいる。
やだっやだっやだっ！
顔を上げて頭の中の愛奈先輩を追い出す。
「どしたの、泣きそうな顔しちゃって」
顔を上げた瞬間に声をかけてきたのは藤岡玲央(ふじおかれお)だった。
「藤岡…。別にそんな顔してないし～」
「してたしてた！ぶっさいくな顔してたよ」
藤岡は変な顔をして見せた。
「うるさい！してないもん、そんな顔」
「してたって」
「しつこい！」
良かった。
藤岡のおかげでちょっと元気になったかも。
藤岡は喧嘩友達って感じ。
うっとぉしい時もあるけど、辛い時とか励ましてくれるし、あたしの大切な友達。
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