徒然草

信じた歩み

「なんや、そんなこと」

本当に、何でそんな事で泣くんや、といった声音で、京さんが続けた。

「僕がしたいからしてるんよ。流鬼のために、僕が出来る事は何でもしてやりたいん。やから、泣くな」

京さんは、優しい。

それ、愛だって、思っていいですか？
俺、愛されてるって、自惚れていいですか？

ますます涙が止まらなくなった俺に、京さんは優しく、まるでいやらしさのない唇を、瞼に一つ落とした。

「……ん」

不思議と安心感に包まれて、俺は京さんを見つめた。

「大丈夫や」

一言それだけ言うと、頭を撫でてくる。
甘えて、いいんですね。

京さん。