「徒然草」

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暖かな日差しの下、花を抱える無骨な腕。 もうどれだけ長い事、会話しとらんのやろう。 花を、生ける自分に、意外にも慣れてしまった。 流鬼は、この花嫌いやないよな? 花屋で綺麗に咲いてたんやで。 シンプルすぎる墓に、小一時間ほど話しかけていて、人に見られたらきしょいんやろうな、なんて考えられるくらいに、僕にも余裕が出て来た。 だから実際に人に見られても、平気やったんかな。 「京さんじゃないですか」 声をかけてきたのは戒やった。 花束を抱えている所を見ると、戒も流鬼の墓参りだろう。 「戒やん。久しぶりやなぁ」 「はい、葬式以来ですね。毎日綺麗な花が生けてあると思ったら、京さんでしたか」 戒はにこりと微笑み、僕が墓の前を譲ると、同じように花を生けた。 「毎日会いに来ないと、寂しがるんよ」
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