眩しい闇

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それは突然の告白で。 京さんがこういう反応をするのは、目に見えている事だった。 俺だってまだ信じられない。 ただ、事実なんだろうと、他人事のように思う。 「なん…やって?」 金髪頭をかき乱して、まるで寝ぼけていて聞いていなかった、とでも言うように、京さんが静かに聞き返してきた。 「だから、ガンです。末期の」 びっくりするくらい冷静な声が出た。 まるで自分の声じゃないみたいな。 「ガン…」 呆けたように、京さんが繰り返す。 が、すぐに明るい声で、 「すぐ治んのやろ?そら、ちょっとは入院するかもやけど」 治る…。 ズキズキと体の奥が痛い。 頭の中で首を振る医者を思い出す。 それを真似るように、俺も首を横に振った。
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