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頭がぼうっとする。
薬を飲んでも飲まなくてもそれは変わらなくて。
ふらつく俺をいつも支える京さんに、迷惑ばかりかけている現状に胸が痛んだ。
やっぱり入院すれば良かった?
おとなしく病院で死を待てば?
だが、考えただけで泣きそうになる俺は、やっぱり京さんが側にいないと駄目なんだと思い知る。
どんなに迷惑かけたとしても、一緒に居たい、なんて女々しい。
それでも既に自分から離れる事はかなわなかった。
いよいよ、歩けなくなってきた俺の今の楽しみは、京さんが作るご飯だった。
おいしかったり、まずかったり散々だが、なんか楽しくて。
食にあまりこだわらない俺にとって、意外な変化だった。
「流鬼、出来たで」
京さんが何かを手に持って、ベッドサイドにやってきた。
俺は軽く体を起こし、京さんの手元を見つめる。
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