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いつも通りに、教室のドアを開ける。
「ライ、おっはよ~!」
「そして、いつも通りの暑苦しい挨拶が待ち受けているのであった。」
「何よ、相変わらずのご挨拶じゃない。
変な独り言も多いし、あんた変態じゃない?」
「悪いがお前にだけは言われたくないな、白(ハク)。」
白は恋と同じく、俺の同級生だ。
頭はあまり、良くないが、それを補って有り余る運動神経を備えている。
見た目も悪くはない、いやむしろ可愛い女と断定できる容姿なのだが、いかんせん性格が悪い。
両親は純粋な子になるようにと、白と名付けたらしいが、名前負けもいいとこだ。
「ごめんね…、白ったらいつもこんな言い方しかできなくて…。」
「いや、君が謝ることはないよ、美意(ミイ)ちゃん。」
何故か友だちの無礼を謝ってきたこの子は美意ちゃん。
子という形容がふさわしい、本当に可愛い子だ。
そしてその可愛らしい顔つきに似合わないスタイルがまた魅力的で…
と、こんなことを言っていると勘違いされそうなので、この辺でやめておこう。
だが類は友を呼ぶというのか、この子も名前負けしている。
美しく強い意志を貫けるようにと、美意と名付けられたらしいのだが、あまり他人に心を開かない、ものすごく引っ込み思案な性格だ。
その性格と見た目が災いして、かなり危険な目にあったこともある。
まあ、そのたびに白が助けに入っているらしいが。
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