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会場に到着した俺たちだが、被験者への応募をしにきた者であることを確認すると、すぐに別々の部屋へ連れて行かれた。
「やはり、というべきか、かなりあやしい雰囲気が漂っているな…」
俺が今歩いている通路は薄暗く、ホラー映画にでもでてきそうなところだ。
また、俺を案内している男は全身黒服、サングラスをかけていて、こいつはマフィアではないかと思ってしまうくらいのあやしさだ。
ま、服装に関して言えば、俺もスーツにサングラスで通学しているので人のことはいえないが。
「ところでおじさん、一体いつまで歩けばいいんですか?」
「…」
無視ですか…
「ったく、なんだってんだよ…。」
はっきり言うと、さっきから黙ったまま歩き続けているのでかなり退屈なのだ。
「(あーあ、さっさと着いてくんないかな~)」
などと考えていたら、通路以上にあやしい雰囲気漂う個室が見えた。
「到着致しました、こちらでございます。」
やっと言葉を発した黒服に促され、俺は部屋に入った。
だが…
―カチャカチャカチャ、ピキーン―
「何!?」
いや、大して驚くほどのことでもない。ただ俺の入った部屋に鍵がかけられただけだ。
だが、俺はこの単純な行為に対し、なんとも言えない嫌な感情を抱いたのだった。
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