- 第一章 -

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「“俺っ、ずっと菜那が好きだったんだ…… だからっ…… そのっ優衣にも手伝ってほしい……”」 そう告げた彼は、 とても真剣な顔をしていた事をとてもよく覚えている。 多分…私は彼の気持ちに気付いてたんじゃないかと思う。 だからなのか涙が流れる事も、 反発の言葉が出る事も無かった。 だって…… 彼の瞳に映っていたのは 私じゃなくて、 いつも私の隣にいる 私の大事な親友の“菜那”が映っているって事。 分かっている自分が居たから…… こっちを見ている様で 実際は全く私なんて映っていなかったんだ……。 .
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