- 第一章 -

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全て分かっていた自分がいて 何故だか自分が哀れに思えて笑えてきてしまった。 『“やっぱりそうか…!”』 と私は必死に笑顔を作った。 「“えっ……? お前、気付いてたのか?”」 とさっきまで頭を下げていた慧が驚いたようにこっちを向いた。 『“付き合いなめんなよ?”』ニッ と慧に向かってはにかんでみせる。 「“マジかよ… やべぇ俺今チョー恥ずいんだけど っつかお前、いつから気付いてた?”」 『“ん~どうだろ… 中学の後半くらい……かな”』 「“マジかよ…! 俺分かりやすいのか?”」 と、かなり焦った様に聞いて来る 『“さぁ? 他の人は多分気付いてないんじゃない?”』 そう言うと慧は肩の力を抜き 「“そか。なら良かった。”」 と、あからさまに安堵した。 .
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