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「駄目だよ。それじゃ駄目だよ」
「‥‥え?」
将人はガシリと舞子の肩を掴むと、静かに、そして強く話し始めた。
「駄目だ。それじゃぁ僕たちは生き残れないよ。殺らなきゃ殺られるんだよ?」
ヤラナキャヤラレルンダヨ
「俺は舞子ちゃんといたいんだ。最後に生き残るのは君でかまわない。でもそれまで一緒にいたいんだ。僕が君を守りたいんだ」
静かな口調でありながら、舞子は恐怖を感じた。
将人の目の奥には舞子はいない。
愛しい人の顔はそこには無かった…。
「で、でも駄目だよ。だいたい何で殺し合うの?!」
舞子は肩に置かれた将人の手を強く握った。
「やめよ。ねぇ、やめようよ!ねぇ。小野君」
少しでも私の気持ちが伝わってくれれば。
舞子は祈るように訴える。
「ははっ‥何でぇ?何でだよ‥‥」
「小野君!!」
お願い!
わかって!!
私はこれ以上あなたに――‥
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