向こうから

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別れを告げるつもりだった。 しかし、告げられなかった。 『結婚しよう。』 頭が真っ白になり、彼の声が耳に残っていた。 そして、自然と親友の携帯に電話していた。 別れる事を推してくれたもの彼女だ。 「もしもし?どうだった?」 電話越しからはいつもより少しテンションの低い声がした。 「あのね……結婚しようって……」 「えっ?」 親友は驚き、言葉を失った。 「どうしよう……一応また後日返事するって言っちゃったけど……」 少しの沈黙があった。 そして、親友が口を開いた。 「好きなようにしたら?本当に好きから結婚したらいいし、嫌いならしなかったらいい。私はそうやって決めた」 昔から親友の言葉は私の背中を押してくれた。 今回もそうだった。 「わかった!ありがとう。」 「うん。頑張ってね」 そうして電話が切れた。 そうして、もう一度電話かけた。 「あの……結婚の話だけど……よろしくお願いします!」 受話器の向こう側から喜ぶ声が聞こえていた。
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