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「………」
夢を見た。
（いや…嫌な記憶を思い出した）
今現在、放課後の五時過ぎ。
慎哉は机から顔を上げた。
教室には誰も居らず、慎哉一人だけ。
それもその筈
クラスの皆は、部活に帰宅へと教室から出て行くのを確認してから此処で仮眠していたのだから。
（……帰るか）
鞄を手に席から立ち上がって教室を後にした。
「……ん？」
正門に人影が在り、慎哉は歩みを止める。
門の柱に背中を預けて俯いている女子生徒。
立ち尽くしていると
ふと女子生徒が顔を上げる。慎哉の姿が目に入ると顔をパァッと明るくさせて駆け寄ってきた。
「遅いぞ！
女を待たせるとは何事だぁ!」
「………」
身体をくの字に折って、片目を閉じ、右手を敬礼ポーズにキメ込むと慎哉に無邪気な喜びっぷりをアピール(？)する彼女。
対して慎哉は呆れ顔であった。
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