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「ユチョ、チャミ、お帰り」
俺達二人を迎えてくれたのはシアだった。
「ユノとヒロは?」
「リビングにいるよ」
バタバタと足音を立ててリビングに戻るシアを、お前の手を引いて追いかけた。
リビングに入れば、並んで座る二人がいた。
「お帰り」
「ただいま」
俺とユノの間で交わされる当たり前の会話。
言葉を発しないのはヒロとチャミ。
「あれー?ヒロどうしたの?チャミのとこ行かないの?」
「えっ」
「ユチョー、チャミの手繋いだままだよ」
「「えっ」」
事情を知らないシアが脳天気に騒ぎ出す。
お前は俺の手を振り解き、部屋へ走り入ってしまった。
「チャミ」
「ユチョ」
後を追おうとした俺を止めたのはユノだった。
「ヒロ、行ってこい」
ユノに頷くとヒロはチャミの部屋へ向かった。
「どうなってるの?」
「悪い、シア。ユチョと話が有るんだ。部屋に戻ってくれないか」
「僕だけのけもの?ぷんぷん。後でちゃんと説明してよね」
騒ぎながらシアはリビングを出た。
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