29人が本棚に入れています
本棚に追加
残された俺達の間に沈黙が響く。
その空間に絶えられず俺は口を付いた。
「俺は話す事は無いよ」
「チャミとヒロの事だ。お前には聞いて貰わないと困る。今、二人が話している事を」
ユノの真剣な眼差しは反論を許さなかった。
「どういう事なんだよ。ユノとヒロなんて」
「やっぱりお前も知っているんだな。俺はヒロを抱いた。無理矢理だ」
「なっ…」
「ヒロがチャミのものでも、俺はヒロが好きだった。二人になって我慢出来なくなった。でも、そんな俺をヒロを受け入れてくれた。チャミを泣かす事になるのに」
「それが解ってて、何で」
「チャミにはお前がいる」
「なっ…」
「チャミが好きなんだろ、ユチョ」
「知ってたのか?」
「解るよ。お前はいつもチャミを見ていたからな」
鈍感なユノに気付かれるなんてな。
なら、ヒロやチャミも気付いてるだろうな。
「ヒロも気付いてるよ。チャミはどうだか知らないけど、あいつの事だから気付いてるんじゃないか」
「そうか…」
ならお前は俺の気持ちに気付いていて俺を受け入れたのか。
「お前がいるから。チャミをお前に任せる事が出来るから、俺達は一緒になる事を決めたんだ。チャミを頼む」
「勝手だな」
「そうだな。でも、俺は後戻りする気は無い」
きっぱり言い切るユノは真剣だ。
最初のコメントを投稿しよう!