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チケットを紛失しない為にと、この検問所(らしい)の所長さんと云う偉いお爺さんが、チケットに何やら呪いをかけると。それはブレスレットに変わり、陽良子の腕に収まった。
すげー!
それから、超老舗ホテルのスイートルームを予約しておきますだとか、三ツ星レストランも予約しましょうか?等、セレブな提案ばかりが目立つ。
「あのー・・・私、その・・・お金を持ってないんですけど・・・」
恐縮する陽良子に、周りがどっと沸いた。
何故笑うし!
「お客様は特別ですよ。ゴールドチケットをお持ちの方からお金を頂く等、恐れ多い事ですから。はっはっはー!」
偉いさんが顎鬚を撫でながら豪快に笑う。
よく・・・分からんけど、このチケットすげー!
いやいや、観光に来たんじゃなくて、例の物が手に入るのかどうかだ。
勇んで立ち上がり、陽良子全てに「違う用事があるので結構です!」と言い切った。
周りは残念そうにしていたが、大事な用事があるなら仕方が無いと、陽良子を解放してくれたのだった。
案内されて、ようやく外へ出て言葉をなくした。
絶景だ。
この場所から、様々な服装、様々な人種の人々が観光、貿易、商売目的でやって来るのだという。
それもあるが、この巨大な街だ。
城壁が遠くで霞んで見えるし、ここからずっと向こうまで続く大きな通路のようになっているそうだ。
後ろには住宅街、陽良子の眼下には大きな屋敷、賑やかな広場、市場が見渡せた。
とても広い。
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