思い出作りは計画的に

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「お姉ちゃん!!」 街外れの、森に囲まれた一軒のお店。 木漏れ日の中にあるログハウス風のお店には、ゆっくりとした時間が流れている。 少女は金の髪を二つで束ね、快活そうな大きなアクアマリンの瞳を輝かせて、大好きな姉に訊ねた。 「森へ行ってきてもいい?」 姉の顔を覗きつつ、真っ白のワンピースの裾と、胸元のアクアマリンの大きなリボンを揺らした。 一方、優しそうな柔和な笑みを浮かべる少女。 妹より頭一つ分は伸びた背丈で、淡い茶色の長い髪を三つ編みで一つに束ねている。 エメラルドの瞳が妹の笑顔を捉えて、元気である事を確認していた。 白と、瞳と同じ色の服を着た姉は、やはり何時見ても綺麗だと妹は思いつつ、反応を待っている。 「良いわよ。気をつけて行ってらっしゃい」 そう微笑んだ姉に、妹も笑顔で返した。 姉が切り盛りする薬屋で、二人は仲睦まじく暮らしている。 そして、妹は元気良く、森へと駆けて行ったのだった。
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