思い出作りは計画的に

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「見たところ・・・外の世界からいらしたようですね。遠路遥々、お越し頂き有難う御座います」 大変恐縮である。 陽良子はエメロードと同じように腰を折った。 「いえいえ、そんな。ご丁寧に有難う御座います。私は陽良子・アルフォーン・マルーグです」 「ヒヨコさんですね。本日はどんなお薬をお求めですか?」 「あ、はい!ジールさんからこちらのお店で特注でお薬が頼めるって聞いたんですけど・・・」 「特注の・・・ですね。分かりました。では、あちらにお掛けになってお待ち下さい」 エメロードは店の左、テーブルと椅子が並ぶスペースへと促した。 どれもこれも木で出来た家具は、触ると暖かく感じられる。 腰を下ろすと、周りを見渡して「へー」とか「すごーい」等と口にした。 薬草の匂い、それから木の匂い。 壁には様々な薬草らしきイラストや説明書きなどが貼られ、カウンターの横の棚には、綺麗な色の液体が入った小瓶がズラリと並ぶ。 蓄音機から流れる音楽。 素敵なお店だと、陽良子は目を輝かせた。 キョロキョロと辺りを観察する陽良子の元に、お茶を持ったエメロードが現れ、甘い香りのするお茶を淹れてくれた。 「どうぞ」 「ありがとうございます!」 一口飲んでみると、ほんのり甘く、そして後味のさっぱりしたお茶で、思わず感嘆の声を上げた。 マリーナは得意そうに、エメロードのお茶自慢をする。 「うん!・・・というか、ようやく落ち着けたよー」 「ここまで来るのに、大変だったみたいですね」 察してエメロードが労いの言葉を掛けてくれた。 ああ・・・良いお姉さんだー・・。 しかし、そう大変だったわけではない。 あっちこっち見て回って疲れていたのだから申し訳ない。 そう話すと、やはり笑顔を向けてくれるエメロードに後光が射している。 眩しい!! いやいや、話を進めねば!
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