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「…本当にそう思ってるの?」
聞かれた時に、速水君の表情が変わったことにさえ、あたしは、気付いてなかった…。
あたしは、聞かれるままに、思わず言ってしまったのだ…。
「思ってるわよ!!」
その瞬間、珍しく速水君が、怒りオーラを出した。
「…一応さあ、君も、先生って呼ばれる立場になった訳じゃないか。
嫌なものでも、一度受けた仕事は、きっちりやれよ。それがプロだろ!!」
座りかけた椅子を、元に戻して、今来た玄関に戻っていく。
「…それ、さっさと食って、原稿書け!!」
最後に、それだけ言って、あたしの言葉も聞かずに、後ろも振り向かずに、玄関を出て行った…。
キッチンのテーブルの上には、あたしが、大好きな洋菓子店のケーキの箱…。
差し入れ持ってきてくれたんだ…。悪いことした…。
ああ、あたしって、なんて馬鹿…。
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