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一体どの位寝たのじゃろうな、眠いが外の様子を見てみるとするかの。
「はて、此処は一体何処じゃ?」
洞穴から外へ出ると見知らぬ木々が辺りを覆い尽くしていた。
何処の森なのか。
獣の状態から人間の姿に変わる。見た目幼女らしき巫女服の人物がそこに立っていた。
「ふむ、どうやら童(わらわ)は大変な目に遭ってしまったらしいの」
辺りを見回す。
そこへ誰かの声が聞こえた。
「――あれ、なんで人間が此処へ…あれ…獣人?」
け、獣が人間の様に服着て、喋って、2本足で立っておる!?しかもちっさいおなごとは…。
「お主は一体何なのじゃ!?」
驚いてその人物に話す、が、
「何言っているの?」
一蹴されてしまった。
だが、それはこちらにも言える事で、
「ううむ、言語の壁は厚いのぉ」
しょんぼりと俯いてしまった。
「仕方ない、あれを使うしかないのぉ」
――いつの間にか木の葉が一枚、頭に乗っかっていた。
「妖の極(きわみ)、木の葉変化の術!」
どろん、と音がしたと同時にその人物へと化けた。
「!?」
無理もない、完璧に化けたのだから。
「うそ…?」
再びどろん、という音と共に元に戻った。
「脅かしてすまんの、しかし、そなたに変化(へんげ)したおかげで大体の事が分かったのじゃ。兎に角すまんのぉ」
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