993人が本棚に入れています
本棚に追加
入鹿学園に今年もまた桜が咲いた。
寒い冬が終わり、暖かい春の訪れがやってきた。
三年が卒業し、俺はようやく三年生になった。
三年になると、これまでとは違い、いろいろなことが変わる。
まず生徒会。
三年がいなくなったことで、当然生徒会役員も改選なわけで、前生徒会長『竹原さん』が去った今、俺がその後を引き継ぐこととなった。
とんだ置き土産だな。
次に有栖川。
三年がいなくなると同時に、こいつも学園から姿を消した。
まあ、こいつの場合、最初からいてもいなくてもいいような奴だったからな。
あいつがいなくなったことで妃奈子もホッとしているようだ。
なにより俺が一番ほっとしているかもな。
妃奈子に対するあいつの態度は尋常じゃなかったからな。
おかげで俺は、これ以上ないほど憂鬱な日々を送らしてもらったけど。
そんなあいつのことを悲しんだやつらもいた。
それは、女子と女性教師だけだけど。
男どもはライバルが減ったことを喜んでいたからな。
まあ、俺も実はその中の一人だってことか?
ははははっ。笑えねぇ・・・。
最初のコメントを投稿しよう!