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――この世にはどうあがいても
神様の決めた事に逆らえないらしい。
「どうされました?」
――そんな事、信じられるかよ。
女子の1人が艶顔…もとい恍惚+上目顔で迫って来た。
マジで対応に困るから止めれ。
「華美嶋郁斗(かみしまいくと)様」
「いや、だって……」
「郁斗様、後でこの私と御茶でもご一緒しませんか?」
「あ、ずるい、私も!」
何時ものように周りに寄ってくるから団子状態になる。
何時も何時も、こんな感じだからなぁ。
「おーまーえーらぁ~」
正直鬱陶しいばかりか息苦しくて蒸し殺されるんじゃないかと切実に考えてしまう辺り、俺はどうかしているのかもしれない。
「いい加減、離れろっ!!」
突然がらりとドアが開く音がした。
「そこの女子共、HRだ。」
「えー、じゃない」
――た、 助かった。
教師がやって来たからだ。
「お前らばかりに美味しい思いをさせる負けにはいかんからな」
……前言撤回。
――なんで、 なんで俺ばっか…。
そもそものきっかけは俺が産まれる前に見た、夢、だ。
暗転する真っ暗な世界…………確かに俺はそこにいた。
「ここは――どこだ?」
辺りを見回すが誰もいない。
夢なんだろうけどさ、何故か大人目線。
そしてこんな状況でも妙に落ち着いている辺り、大人な対応も会得しているのだろう。
思考や姿も、それに合わせて形作られているみたいだ。
それが、あの時朧気に……何と無くだが、覚えている感情だ。
「はぁーい☆こんにちは☆」
暗闇から謎の仮面がすー…ぬぅ、と目の前に登場してきた。
どう見ても胡散臭さが尋常じゃない……か。
やれやれ、こいつは見た目通りの"道化師"といった所か。
「おおぉあっ!?だ、誰だ、てめえは!」
――――その前に、顔の化け物だとか(リアルじゃ)正直有り得ない。
「化け物なんて心外だなぁ☆あ☆私クラウン☆神の使者ね☆」
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