また一日が始まるのか

4/4
前へ
/7ページ
次へ
小学生の頃は、男子にも普通にてていた。 だが中学に入って数日後、 「好きです」   女子に告白られた。 しかもいきなり呼び出されて、だ。 気が付いたら、周りは女子ばかり。 その勢いで、下駄箱の中がラブレター専用ポストに成り下がった程だ。 当時は百合…まぁ、レズビアンなんて言葉や、ハーレム・イケメンなんて知らなかったからビックリ仰天、開いた口が塞がらなくて実際顎が外れかかったのは忘れたい思い出だ。 「ッキショーめ、なんで空は蒼い」 屋上で俺は、大の字に寝そべって空を仰いでいる。 春……と言っても夏の近い5月の晴れた空は限り無く青かった。 いや、蒼かった。 ミルク色の雲は呑気に、ゆっくりと流れていく。 波飛沫とは違うそれを、瞳に映しながら俺は思い返していた。 結局、奴(クラウン)は一体何しに来たんだ? しかしだな、今更感が否めない…が、あの夢に出てきた俺は…今の俺自身に思えてならない。 あの整った顔の男性然とした容姿。 そうだ…そうだっ。 何故今になってこんなにもはっきりと記憶が蘇ってくるんだよ!? あのイケメン男子は、少女・華美嶋郁斗……つまり未来の…現在の俺自身だ。 …………………………………まぁ、あまり深く考えても仕方ねぇか。 さて、そろそろ教室に戻るか。 囲まれる恐怖には抗えない、もう慣れた。 ――俺の名は華美嶋郁斗。   「ふーい、寝過ごしちまったぜ」 多分、普通の、平凡な人間。 何故、神様がこんな事をするか 解らない。 ――でも、   「おーまーえーらぁ~」 今は、 「いい加減」 忘れる事にした。 「離れろぉ――――――――――――!!!!」
/7ページ

最初のコメントを投稿しよう!

3人が本棚に入れています
本棚に追加